2014年03月17日

お国のために子どもを産め?

なかなかすごいニュースがあったのでご紹介したいと思います。

自民党の二之湯智参院議員が代表質問で「子供産むのは国家への貢献」と
言おうとしていたことが、あきらかになったのでした。
公明党から批判を受けて事前に修正され、実際に発言されるのは未遂ですんでいます。

「「子供産むのは国家への貢献」 公明指摘で自民代表質問から削除」
(はてなブックマーク)

記事はあまり長くないので全文引用します。
自民党の二之湯智参院議員が12日の参院本会議で、
「子供を産み、立派に育てることが国家に対する最大の貢献」
としていた代表質問の内容を公明党の指摘を受け、
事前に削除・修正していたことが分かった。

二之湯氏の代表質問原稿案は少子化問題について
「結婚しているのに子供を持つことが社会人としての義務だと
考えない人たちが増えている」とも指摘。

二之湯氏の質問は公明党を含む与党としての代表質問だったため、
公明党が11日に党の政策と相いれないとして修正を申し入れ、
自民党が応じた。この結果、二之湯氏は12日の代表質問で
「国家に対する貢献」の部分を削除。
「子供を持つことが社会人としての義務」との表現は
「子供を持つことを望まない人たちが増えている」と
修正した原稿を読み上げた。


二之湯智の修正前の代表質問の原稿には「子供を産み、立派に育てることが
国家に対する最大の貢献」などと書いてあったのですよ。
「お国のために子どもを産め」ですよ。
わたしはこれを見て「本性を表わしたようだわ」と思いましたよ。

二之湯智にとっての少子化対策がどういったものかがわかりますね。
国や社会が目的にあって、そのために国民に子どもを持たせるということです。
じつは二之湯智ひとりがこう思っているのではなく、
すくなくない自民党議員の認識も同様ではないかと想像します。

「自民党の少子化対策なんて、しょせんはこういうスタンスではないか」
と思っているかたは、ほかにもいらっしゃるのではないかと思います。
「女性の活用」もそうですが、「国家や社会のために個人がいる」と
考えているのではないか、という不信感を強めることになったと思います。


二之湯智のはじめの原稿には「結婚しているのに子供を持つことが
社会人としての義務だと考えない人たちが増えている」とも書いてあったのですよ。
いったいどの法律でそんなことが「義務」と定められているのかと思います。
個人のライフスタイルに対する、国家や社会による露骨な干渉です。

子どもを持つか持たないかは、とうぜん各個人が決めることです。
どのようなライフスタイルを選ぶ人にも生きやすいよう
基盤を整えるのが国家や社会の役目のはずです。
あくまで「個人のために国家や社会がある」ということです。

子どもを持つことが「義務」だと言うのなら、不妊症など諸般の事情で
子どもが持てないかたはどうなるのかと思います。
同性結婚も「子どもが持てない」という理由で反対するのでしょうか?
国家が個人のライフスタイルに干渉すると、
特定の人たちの生活を追いつめることにもなるでしょう。

「お国のために子どもを産め」というのは、ファシズムの特徴でもあります。
ファシズムの国は富国強兵策を採るので、人口を増やす必要があるからです。
日本も太平洋戦争中に「戦時人口政策」を行ない、
女性のライフスタイルを管理して、子どもの数を増やそうとしたのでした。
二之湯智のはじめの原稿は、ファシズムの発想への回帰とも言えます。


「子供産むのは国家への貢献」という内容の原稿は、
公明党が「党の政策と相容れない」として修正をさせたのでした。
公明党が連立政権に参加していることは批判もあるでしょうが、
この件にかぎっては自民党の歯止めになったと言えます。

付記:
ご存知のように、安倍晋三も子どもがいないのですよね。
二之湯智に言わせると、安倍も国家に貢献していなくて、
社会人の義務を果たしていないことになるのかと思います。


posted by たんぽぽ at 23:56| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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