女性の労働力率と出生率との相関を調べたOECDの統計が
載せられているので、これを見ていきたいと思います。
「安倍政権が女性の社会進出を支援するなら配偶者控除を廃止すべきではないか」
掲載されている図は1980年と2000年を比較しています。
さらに12月21日エントリでご紹介した、2009年のデータも並べておきます。
1980年はいわゆる少子化対策を行なう国はほとんどなかったころです。
女性の労働力率が高い国ほど、出生率がすくなくなる相関があります。
2000年はいわゆる少子化対策を行なう国が出て来て、
ある程度の成果が見える国も出てきたころです。
今度は女性の労働力率が高い国ほど、出生率が高くなっています。
2009年も2000年に近いプロットの並びかたをしています。
この変化の理由は、わたしがお話するまでもないだろうと思います。
「いわゆる少子化対策」とは、主に女性が妊娠・出産後も
仕事を続けやすくして、女性の労働力率が高まるようにする施策です。
「いわゆる少子化対策」がなされず仕事と育児が両立しにくい状況では、
仕事を続ける女性が増えるに連れて、子どもを産まない
選択をする人が多くなり、出生率が下がっていったのでした。
そうした状況のもとで、「いわゆる少子化対策」がなされ、
仕事と育児が両立しやすくなるよう状況が変化すると、
子どもを持つ人が増えて出生率が高くなってきたということです。
このように時系列で見ると、その変化のようすがはっきりして、
現代社会においては、女性の労働力率の向上が大事だ
ということが、はっきりしてくると言えます。
「妻が専業主婦のほうが出生率が高くなる」なんて信じている人たちは、
1980年かそれ以前の常識のままなのでしょう。
そうした人たちが「よき時代」とするであろう55年体制的とも言えそうです。