2014年03月06日

中年童貞に問題がある?

すごい記事を見つけました。
よくこんな偏見丸出しの記事を臆面もなく書けるというものです。
はてなブックマークも500以上付いて「週間世の中3位」に輝いています。
よほど強烈だったのでしょうね。

「中年童貞はどのような存在なのか?」
(はてなブックマーク)

「「中年童貞の問題」を主張する中村淳彦氏」
(はてなブックマーク)

記事でひたすら攻撃している「中年童貞」というのは、
30代以上になっても女性との性体験のない男性のこととあります。
その「中年童貞」は人間関係がだめだから、仕事の上でも問題がある、
などという主旨の主張をしているのですよ。
このあと介護業界の例を挙げて、「中年童貞」が多数参入したことで
介護の質が下がった、などと書いているのです。

秘めた行為である性経験が社会に影響を及ぼすわけがないじゃないかと
思われがちだが、性交未経験の男性は婚姻率の低下や少子化はもちろん、
職場のパワハラやセクハラ、労働の長時間化、離職率など、
職場の根幹に関わるネガティブな問題と密接に繋がっている。

「結婚していない男は仕事に責任を持たない」という偏見があって、
実際の人事で既婚男性を選ぼうとする人は、まだまだいるのかもしれないです。
かかる「中年童貞」論は、その偏見をさらにどぎつくしたものだと思います。

アメリカ合衆国ではマリッジステートで採用や昇進などの
人事を決めることは差別として禁じられています。
そういう国で「中年童貞は人間関係に問題があるから仕事ができない」
などと主張したら、差別とされる可能性があると思いますよ。


この「中年童貞」論ですが、なにか検証したというものではないです。
職場でトラブルを起こした男性に、性体験の有無を聞いたら、
たまたまみんな経験がなかった、という程度のことです。
性体験がある男性でも、同様のトラブルを起こすことはあるでしょう。
本当に性体験のない男性に多いのか、きっちり統計を取ってしめされたいです。

記事著者には「いい歳して童貞のオトコはだめだ」という偏見があって、
それが確証バイアスで強化されているのだろうと思います。
「職場でトラブルを起こした男性はみんなコーヒーを飲んでいた。
よってコーヒーは職場のネガティブな問題とつながっている」と
おなじくらい、無意味な主張なのだと思います。


記事の最後でこんなことを書いているのですよ。
性体験くらいで人間性がまともになるなら、苦労はいらないですよね。

もう一度言うが、その発端となっている中年童貞が適正年齢で
女性とのセックスを経験していれば、そんな負の連鎖は起こらなかったのである

結婚して子どものいる男性は、とうぜん童貞ではないですが、
彼らがすべて人間関係が円滑で、仕事ができるとはかぎらないですからね。
「女性と結婚しているから女性差別をしていない」と
おなじくらい、ばかばかしいものいいと言うものです。

察するに記事著者は、まともなコミュニケーション能力があれば
女性と性体験できるはずであり、女性と性体験がないのは
まともなコミュニケーション能力がないからだ、
とでも考えているのではないかと思います。

実際には異性とコミュニケーションができて恋愛相手がいても
セックスレスの人たちもたくさんいますし、
また恋愛していなくてもセックスすることはできます。
性体験の有無とコミュニケーション能力とは、かならずしも関係ないことです。


だいたい、女性との性体験が多いことを誇らしげにする男性
(いわゆる「やりちん」)を、これをご覧のかたはどう思いますか?
女性を性欲の対象としか見ていなくて、「もの」扱いしているのではないか?
という可能性を考えて、警戒したりしないでしょうか?

「性体験があればよい」というなら、女性にお酒をしこたま飲ませて
酔いつぶれたところでセックスするような強姦をする男は
コミュニケーション能力があって、円滑な人間関係が営めると言えるでしょうか?
そんな男はむしろ人間性を疑いたくなりますよね。

また記事著者は風俗でのみ経験のある、いわゆる「素人童貞」は、
ここで言う「中年童貞」に含めないと言っています。
風俗に行けば「経験がある」ことになるのですが、
女性をお金で買う男は、人間性が好ましいと言えるでしょうか?

こういう男たちは女性差別的であり、性体験のない男性よりずっと、
女性相手のコミュニケーションや人間関係ができないことが予想されます。
それこそセクハラやパワハラを起こしかねないですし、
女性といっしょにまともに仕事ができなくて、職場のネガティブな問題を
起こす可能性が高いのではないかと思いますよ。


記事著者はこんなこともしたそうです。
業務に関してこんなことを訊くのはセクハラだと思いますよ。

私は何人もの困難や問題を起こした張本人である中年男性に直接的、
または遠まわしに「セックス経験の有無」を訊ねたが、

「中年童貞」に偏見を持った、記事著者のような人こそ、
「職場のパワハラやセクハラ」を現実に引き起こしているのだと思います。
それこそ「職場の根幹に関わるネガティブな問題」の
原因になっていることに、気がついてしかるべきでしょう。


posted by たんぽぽ at 00:44| Comment(6) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>アメリカ合衆国ではマリッジステートで採用や昇進などの
人事を決めることは差別として禁じられています。

それって関係あるのかな?と思ってしまいます。○○では、という発言が好きなかたはたくさんいますが、相手からしたら、「だからなんなんだ?」という気分になってしまうでしょう。
著者の中村さんは、将来的にアメリカで事業を展開したいなんてことは思ってないでしょう。そんな人に対して、「アメリカでは」なんて言ったところで、
「だからなんなんだ」と思われるだけです。
「そうか、俺の考えは間違ってたのか。」となる可能性は限りなく低いです。

>こういう男たちは女性差別的であり
風俗で女を買う男は女性差別的ということでしょうか?よく聞く意見ですが、なぜそうなるのか説明していただけますか?
Posted by マルクス at 2017年04月22日 02:06
>それって関係あるのかな?と思ってしまいます。

「他国を知ることは自国を知ること」です。

外国の事情を知って、自分の国のことを客観視できる人で、
まともな人権意識を持っていて、
差別に対して適切な問題意識を感じられる人でしたら、
「自分たちは間違っていた」と理解できるでしょう。


>風俗で女を買う男は女性差別的ということでしょうか?

残念ながらその可能性は高いと思います。

むかしわたしのブログで慰安婦否定論を
展開し続けた人とその「お仲間」の人たちは、
https://storify.com/pissenlit16/nu-xing-nitotutexing-womai-rukotonoyi-lun
そろってアダルトビデオの愛好者でした。
http://lacrima16.tumblr.com/post/151378267843/
Posted by たんぽぽ at 2017年04月22日 15:12
他国との比較も無意味であるとは思いません。しかし、国が違えばルールや常識が違うのも当たり前です。
「アメリカではこうだ」と言われても、何故アメリカの制度を見習うべきかが説得的に説明されてないと、見ている方としても納得はできません。
「世界には他にも色々な国があるのに、なぜアメリカ基準にしないといけないの?」と思ってしまいます。アメリカがいわゆる先進国に入っているからかもしれませんが、先進国と言われている国はほかにも色々あります。
ドイツでは16歳から度数が低い酒は飲んでもいいらしいです。でも仮に、日本の高校生がビールを飲んで問題になった時に
「ドイツでは俺くらいの年でビールを飲んでも大丈夫なんだ、そんなことで文句をいうやつがおかしい。」と主張しても誰も納得しないでしょう。
「ここは日本だ」でおしまいです。
他国の制度を取り上げるのはいいですが、なぜ見習うべきかがきちんと示されていないとあまり説得力が無いものになってしまいます。
少し違う話になりますが、ヨーロッパはカップル文化で一人で行動している人は変な目で見られるそうです。なので仮にヨーロッパで、
「いい年して恋人がいないやつは人格に異常がある可能性が高い」と発言しても案外非難を受けるどころか賛同者が続出しそうな気がします。

>自分の国のことを客観視できる人で、まともな人権意識を持っていて、
著者の中村さんにはまずそのようなものが備わっていると思えません。なので、たんぽぽさんのブログを見ても意見を変える可能性は100%無いと思います。

あと、風俗で女を買う男は女性差別主義者かという話についてですが。
「慰安婦否定論者にAV愛好者が多い」では理由になってないです。AVを見る行為と風俗で女を買う行為は全然別個のものです。周囲を見ていても、AVは見るけど風俗にはいかないという人はたくさんいました。何故AVを見る人→風俗で女を買う人 になってしまうのかが分かりません。それに、慰安婦否定論者じゃなくてAV愛好家という人もいくらでもいます。
https://irorio.jp/sophokles/20150914/260759/
参考までにこのような記事もあります。
そもそも、
「AV愛好家は女性差別主義者だ」という主張は、明確な根拠がないイメージによるものではないでしょうか?

Posted by マルクス at 2017年04月24日 01:06
ごあいさつと簡単な自己紹介をいただきたいですね。
メインブログでも言ったけれど。

>「世界には他にも色々な国があるのに、なぜアメリカ基準にしないといけないの?」

人類に普遍的な基本的人権を基準にしています。


>他国の制度を取り上げるのはいいですが、
>なぜ見習うべきかがきちんと示されていないと
>あまり説得力が無いものになってしまいます。

あなたはマリッジステートや交際経験で
人事や昇進を決めることがなぜ問題なのか、
理解できないということなのですね。

あなたはマリッジステートや交際経験で人事や昇進を決めても、
なんら問題ないと思っているのですか?
そうお考えでしたら、その理由はなんですか?
わたしからお尋ねしたいです。

このエントリはもともと中年童貞に関するものです。
中年童貞はコミュニケーションに問題があるとみなして、
人事や昇進で不利に扱っても構わないとお考えですか?


>AVを見る行為と風俗で女を買う行為は全然別個のものです
>周囲を見ていても、AVは見るけど風俗にはいかないという人はたくさんいました

AVを観る人は風俗にも行くと言っているのではないです。

AVを観るのも風俗で女を買うのも、
女性を性的搾取するうちだ、ということです。
搾取の方法が違うというだけです。
Posted by たんぽぽ at 2017年04月25日 22:29
ああ、そういえばまだ挨拶をしていませんでしたね。
初めましてマルクスといいます。これからちょくちょくコメントをさせていただく予定です。

>あなたはマリッジステートや交際経験で
人事や昇進を決めることがなぜ問題なのか、
理解できないということなのですね。

私が納得をしないという話ではありません。私自身、童貞であるとか独身であるという理由で差別をするのはよくないと思ってます。
しかし、現代の日本には、中村さん以外にもいい年して童貞だったり独身だったりする人に対して偏見を持つ人がたくさんいるのが実情です。
そういう人たちが、
「あなた達の思想が間違ってる。なぜならアメリカではあなた達のような意見を言えば差別と認定されるからだ。」
という意見を聞いても、多分考えを改めようとはしないでしょう。
「ここは日本だ。アメリカがどうであろうが関係ない。」
と思われてしまうだけです。余程アメリカコンプレックスが強い人であれば別ですが。
あの本の著者の中村さんも、別にアメリカコンプレックスが強い人ではなさそうなので、まず意見を改めたりはしないと思います。


>あなたはマリッジステートや交際経験で人事や昇進を決めても、
なんら問題ないと思っているのですか?
そうお考えでしたら、その理由はなんですか?
わたしからお尋ねしたいです。

全く問題が無いとは思いません。個人的には、そんな基準で人事を決める会社は嫌だと思っています。
でも、企業がどういう基準で人を採用するか、昇進を決めるかはその企業の勝手だと思っているので、文句をつけるつもりはありません。

>中年童貞はコミュニケーションに問題があるとみなして、
人事や昇進で不利に扱っても構わないとお考えですか?
問題があるない以前の問題で、仮に中年童貞を人事面で不利に扱う会社がいたとしても、やめさせることは不可能だと思っています。仮に童貞の人がいい歳しても昇進できなかったとしても、本当に童貞であることが理由で昇進できないのか立証することはきわめて困難です。
たんぽぽさんが紹介した、アメリカのマリッジステートによる差別を禁止する法律も、実際は機能していないのではないかと思っています。仮に昇進できているのが既婚者ばかりだったとしても、優秀な人だからこそ、結婚市場での価値が高くて出世できているというだけの話な可能性も否定できません。アメリカでも経済力がある人は結婚市場での価値が高いのは変わっていないようです。
https://note.mu/keisakusato/n/n03547854d815
なので、
「俺が出世できないのは、会社が独身者を差別してるからだ」と訴えても、認められる可能性はまずないと思っています。立証できないと思うので。

なので、
「童貞や独身であることを理由に差別をすることは差別であって許せない」
と騒いでも意味がないし、論じる意味がないような気がします。なにせ、やめさせる手段が存在しないわけですから。
Posted by マルクス at 2017年04月26日 17:39
結局、何かに対して差別意識を持っている人に対して、
「あなたたちの考えは間違っている。非人道的だ。許せない」
と言ったところで、言われた側が意識を変えることはほぼ100%ありません。男社会では童貞を見下す人は一定数存在します。しかし、例の本の著者の中村さんを含めて、童貞に差別意識を持つ人に、
「童貞を差別するのはいけないことだ。」なんて力説しても思想を変えることはまずありえません。

私がどういう基準で人事を決めようがその企業の勝手だと思っているのは二つの理由があります。
一つは企業には経済活動の自由が保障されていること。もう一つは、企業の人事の基準に問題があるとしても、それを是正するのは無理だということです。(これが最大の理由です。)
例えば、今は法律が変わって求人広告に年齢制限を付けるのは原則ダメになりました。でも、法律で禁止しても、一定の年齢を超えた人を雇いたくないという企業の本音は変わりません。なので、一定の年齢を超えた人が面接に行っても採用されることはありません。それに、年齢を理由に雇われなかったことを立証するのは不可能なので(うちの会社に合わなそうな人だったからと言い訳されればそれまでです。)損害賠償を請求してもただの時間と金の無駄に終わってしまいます。
 女性差別にしても同じことです。友人が内定をとれた会社は、内定者のうち総合職が男ばかり、一般職は女ばかりという状態でした。(2010年代になっての話です。)それに、女性の管理職登用も全然進んでいないというデータもあります。結局女性が昇進させてもらえなかったとしても、性別を理由に昇進をさせてもらえなかったと立証するのはまず不可能な話です。
 人事面の基準を変えさせたかったら、会社側の意識を変えさせないとダメです。そして、意識を変えさせるためには、
「そういう基準で人事を決めていると、あなたたちは損をすることになりますよ。」
という形で説得するしかないと思っています。
「あなたたちの考えは、基本的人権の尊重の観点から問題がある。」
と力説してもまるで効果が無いと思います。
Posted by マルクス at 2017年04月27日 13:11
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