よく言われていますが、それをしめしている図があるので、ご紹介したいと思います。
子どもがいるかいないかによって、女性の就労状態がどうなっているかを、
日本とフィンランドで比較したものです。
出典は『世界価値観調査』の2005-2008年です。
子の有無による女性の状態変化の日芬比較図。日本は,子ができることでフルタイム就業がガクンと減り,代わって専業主婦の比重が増加する。北欧のフィンランドでは,そういう変化は小さい。保育所整備をはじめとした諸条件の差によるだろう。 pic.twitter.com/vXoTHRzMHv
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014, 1月 12
ここでは就労形態を「フルタイム就業」「パートタイム就業」
「専業主婦」「その他」の4つにわけています。
パートタイムはもちろん非正規雇用ですが、フルタイムの場合も
すべてが正規雇用ではなく、派遣などの非正規雇用も含まれていると思います。
日本ですが、子どもがいないあいだはフルタイムが53.9%ですが、
子どもがいるとフルタイムは18.2%と激減するのですよね。
パートタイムの割合は子どもの有無であまり差がないようです。
そして子どもがいるかたの専業主婦の割合が、とても高くなっているのですよね。
数値が入っていないですが、半数近いと思います。
「女性は妊娠・出産でそれまでの仕事が続けにくくなり、
パートなどの非正規雇用に就くことが多くなる」とよく言われるけれど、
じつはそれどころではなく、そもそも仕事に就けなくて
専業主婦になるケースがずっと多いということになります。
子どもを持った女性の就労が、いかに阻まれているかが見て取れると思います。
フィンランドの場合は、子どもがいない場合の専業主婦率はほとんどゼロ、
子どもがいるとある程度専業主婦になるかたがいますが、
図と見たところ2割程度で、日本よりずっとすくないですね。
フルタイムのかたの割合は、子どもがいる場合といない場合とで
それぞれ67.0%と62.4%であり、ほとんど差がないことがわかります。
フィンランドでは、女性が妊娠・出産しても、
それまでの仕事を続けられる環境が整っていることが伺えます。
それからパートタイムの割合が子どもがいる場合減っていますが、
おそらく子どもがいないときパートタイムだったかたが、
子どもを持つと専業主婦になるケースが多いものと思います。
これも妊娠・出産で就労が阻まれるというよりは、
子どもができたことで自主的にそうした選択をする
「家庭的」なかた、ということなのかもしれないです。