ツイッターなどで話題になっているのですよ。
「舛添要一さんの発言について」
(はてなブックマーク)
「「女ごとき」「男より欠ける」…舛添氏“消せない”女性蔑視発言」
(はてなブックマーク)
「舛添オワタ@女性蔑視@生理」
問題の舛添要一氏の女性観は「福島みずほのどきどき日記」の
1月31日エントリに引用されています。
ここにも孫引きしますが、見ての通り、絵に描いたように陳腐な女性差別ですよ。
「僕は本質的に女性は政治に向かないと思う。
たとえば、指揮者、作曲家には女はほとんどいない。
女が作曲した曲に大したものがない。 なぜか、と考えてみると、
実は指揮者は政治家に似ていることに気づいたわけ。
オーケストラを統率する能力は、女性は男性より欠けているわけです。
作曲家が少ないのも、論理構成をして様々なパーツを上手に
ワンパッケージにまとめる能力がないから。
これはシングル・イシュー・ポリティックス(単一争点政治)とも関係してくる。」
「それから、体力の差ということでいえば、政治家は24時間、
いつ重要な決断を下さなければいけないかわからない。
そのとき、月1回とはいえ、たまたま生理じゃ困るわけです」
「女は生理のときはノーマルじゃない。異常です。
そんなときに国政の重要な決定、戦争をやるかどうかなんてことを
判断されてはたまらない。」
BIGMAN1989年10月号「増殖マドンナ議員は日本をダメにするか!?」
というタイトルの、紙上ディベートが出典となっています。
いまから25年前の記事なので、かなり古い発言ではあります。
それでもこれくらいになると25年前の基準でも、じゅうぶん差別的だったと思います。
1989年はリクルート事件が起きて、自民党が参院選で大敗し、
当時の社会党からマドンナ議員が多数誕生したときです。
「母子家庭は怠け者」発言のときと同様、自民党政権が追いつめられたので、
とにかく政敵を叩きたかったのであろうことが想像されます。
舛添要一氏は「指揮者、作曲家には女はほとんどいない」などと言っています。
特定分野において女性がすくないのは、「女には向かない」とか
「女はやるべきでない」とされて、女性がその分野から締め出されたとか、
あるいは女性がその分野に進んでも、まわりから足を引っ張られたからだ
というのは、言うまでもないことだと思うのですけれどね。
いまは西本智実氏という、世界的に活躍している日本人女性の指揮者がいます。
舛添要一氏は彼女をどう評価するでしょうか?
酷評するのでしょうか、それとも「少数の例外」ということにするのでしょうか?
そして本題の「女は政治に向かない」とか
「女に戦争のような国の重大な決定を任せられない」とかですよ。
ご存知のように、いまのドイツの首相メルケルをはじめ、
ヒラリー・クリントンは女性ですが、「政治に向いていない」ことなど
まったくないのは言うまでもないことです。
ほかにもチリのクリスティナ・フェルナンデス大統領は
5年半のあいだに経済成長をなしとげ、貧困と失業を大きく解消しています。
またノルウェー、スウェーデン、オランダ、ドイツの国防大臣はみんな女性です。
これらの女性たちは、舛添要一氏が記事を書いた1989年より
あとに出て来たというのでしたら、スペインの無敵艦隊を沈めた
イギリスの女王エリザベス1世や、フォークランド紛争で勝利した
イギリスのサッチャー首相はどうなるのかと思います。
「女は生理のときはノーマルじゃない」というのもとても陳腐ですよ。
(しょっちゅうアブノーマルになるDV男に、こんなこと言われたくない。)
女性というと生理という発想しかないのか?と思います。
そんなことを言うなら、男性こそなにかにつけて性欲がわいてきて
アブノーマルになるので、国の重要な決定をまかせられないことになりそうです。
きっと女性を見るたびにそうなるのでしょうから、
月一回どころかもっと頻繁にあるだろうと思います。
実際、性犯罪で男が捕まることがあると「男の性欲は理性で
抑えられないからしかたない」と言ってかばう人が出て来ます。
触法行為に走ってしかたないのなら、あきらかにアブノーマルです。
重要な決定などできる状態ではないだろうと思いますよ。
「男性は政治家には向かない。おっぱい見たさでまともな判断ができなくなるから」
このような舛添要一氏の女性観は1989年当時とくらべて、
いまはどのくらい変化しているかという問題があるでしょう。
「母子家庭は怠け者」発言は2009年で、いまから4年半前のことです。
比較的最近でもこんな調子ですから、25年前とくらべても
あまり変わっていないことが考えられます。
それなりにまかりとおることでもありました。
いま同じことを言ったら、
もっと批判されそうですが、それでも容認する
むきもまだまだありそうですし、
社会的地位はどうにか保てそうに思います。