「男性か女性かはっきりと決められない性」を出生届けに登録できるようになりました。
性別欄に記載しないで出生届けが出せる、ということなのですが、
これで事実上、「第三の性」という区分が作られたことになります。
「ドイツで第3の性の選択が認められる、欧州初」
この措置はインターセックスのかたを念頭に置いたものとなっています。
新生児が産まれると、男女両性の特徴を持っている場合、
性器手術をほどこして、男か女に適合させることが多かったのでした。
それで自分の同意なしに性別を決められたとして抗議するかたも多く、
裁判を起こして損害賠償が命じられた例もあります。
それで、16歳になって、男、女、どちらでもない性のいずれで生きて行くか
自分で判断できるようになるまでは、性別適合手術を受けさせることを
制限するために、「男性か女性かはっきりと決められない性」で
出生届けの登録ができるようにしたということです。
記事には「欧州初」と書いてありますが、全世界で見ても
「第三の性」が登録できるのは、ほかはオーストラリアだけだろうと思います。
オーストラリアでは今年の6月に「第三の性」を公的文書に登録できるようになり、
必要な書類を提出することで、「第三の性」に変更できるのでした。
自分で選択するための措置ということになります。
今回のドイツの場合は出生届けだけで、ほかの公的文書で認められていないと思います。
なので成人してから、みずから「第三の性」を選択することはできないのでしょう。
自分で判断できるまで大人が決めないための措置ですね。
これからも、性同一性障害やインターセックスのかたのために、
「第三の性」で出生届けを出したり、公的文書で「第三の性」に変更できる国は、
どんどん増えて行くことと思います。
また何度もお話しているように、同性結婚を認める国も増えています。
国際社会は、夫婦別姓を認めるとか、婚外子差別をなくすとか、
異性愛者の権利を保証する段階は、すでにあらかた終わったのであり、
21世紀の世界は性的少数者(LGBT)の権利を保証していく段階に
入っているのだということを、わたしはあらためて思ったしだいです。