2013年10月14日

弱者に危険な実名ポリシー

フェイスブックはよくご存知のように、実名でアカウントを作ることを
要求するのですが、偽名を使うユーザの調査はすでに打ち切っているのでした。
以下の記事は昨年の9月で、1年ほど前のものですがご紹介します。

「Facebook、偽名を使うユーザーの調査を打ち切る」
(はてなブックマーク)

理由は記事にはっきり書いていないのですが、おそらく実名をネットに
明かすことによって、被害を受ける人がいることだろうと思います。



ジーク・フェミニズム・ウィキという団体が、実名公表によって
被害を受ける人たちを調べていて、上記の記事に出ているので引用します。
4.は具体的にはDVの被害者ですね。

1. 女性 女性であることを示唆するユーザー名を使用すると、
男性に比べてオンラインでいやがらせを受ける頻度が最大で 25 倍も高くなります。
2. LGBT (レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー) の人々
特に、オンラインでいじめを経験する割合が 50% に上る十代の若者、
および非差別政策をとっていない地域、または同性愛やトランスジェンダーの行動が
違法となる地域に居住する人々。
3. 子ども 自己防衛のため、多くの場合オンラインでは別名を使用するように勧められます。
4. 家庭内暴力の被害を受けたことがある人々
加害者に見つからないようにする必要があります。
5. 宗教的信条、その欠如、または経験により危険な状態にある人々。
6. 活動家、告発者、職業上の別名を使用する人々。

ようするに、実名を公表することでリアルでの属性がわかるので、
リアルのヒエラルキーがネット持ち込まれて、
嫌がらせや差別を受けやすくなるということです。
ネットなので余計に嫌がらせや差別がやりやすく、増幅されるのでしょう。

上のリストを見てわたしがつくづく思うのは、女性とわかるユーザ名を使うと
男性にくらべて嫌がらせを受ける頻度が、25倍にもなるということです。
これはわたしに言わせれば驚異的にして脅威的ですよ。
女性は嫌がらせされやすいことは、たぶんだれしも経験的に知っていると
思いますが、こんなに顕著だとはわたしも思わなかったです。

そういえば、ツイッターでも女性とわかるユーザ名やアイコンを使うと
嫌がらせが絶えないので、性別がわからないとか男性的なユーザ名や
アイコンに変えたという女性のかたは結構いるのでした。
25倍というのは、あながち誇張ではなさそうです。


よく言われる「実名であれば、人々は節度をもって振る舞う、
またはコミュニティの親密度が高まり安全な場所になる」というのが、
いかにあてにならないかが、よく示されていますね。
どうしてもというなら、実名ポリシーは差別や嫌がらせの
加害者となりうる人に対して、要求することだと思います。

差別や嫌がらせを受ける恐れのある社会的弱者にとっては、
実名ポリシーはかえって危険きわまりないものであり、
ネットの世界で彼らを圧迫することになるということです。


posted by たんぽぽ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブサイト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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