違憲判決が出たのですが、これにともなって婚外子の「親の扶養義務」は
どうなるのか、という疑問を持つかたもいらっしゃるのでした。
つぎの記事にそれについて解説されています。
「非嫡出子の「相続規定」が法律改正されると、「親の扶養義務」はどうなるの?」
メインブログの9月8日エントリの最後にリンクした
タンブラーの記事にも、おなじ主旨の想定質問があります。
ようするに「婚外子には親の扶養義務がない」と思っている人もいるのですね。
「「婚外子」相続差別違憲判断について小町脳的Q&A」
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Q.婚内子は親の介護義務があるのに、
婚外子は介護もしなくてもいいし相続できるなんてズルい!
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民法では「直系血族」には親の扶養義務があるとしています。
そしてこの「直系血族」は、婚外子、婚内子の区別をしていないです。
つまり婚外子にも、婚内子とおなじように親の扶養義務がある、ということです。
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A.親の介護義務というのは扶養義務ですね。
民法第877条に定めがあり、扶養義務があるのは直系血族及び兄弟姉妹とあります。
それと、この場合の親は父親のことですよね。
母親は婚外子でも母子関係は確認できますので。
では、非嫡出子がどうなるかと言えば、認知されていなければ父子関係が成立しないため、
直系血族にならない。(一方で、法定相続分もない。)
認知されている場合は、直系血族には、婚外子も含まれますので、義務はあります。
第877条
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
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婚外子が直系血族になるためには、認知されている必要があります。
よって認知されていない婚外子は親の扶養義務はないことになりますが、
この場合遺産の法定相続分もありません。
ようするにこれまでの民法では、婚外子も婚内子とおなじように
親の扶養義務はあるのに、婚外子の法定相続分は婚内子の半分なのであり、
じつは婚外子にとって不公平だった、ということです。
ところで「婚外子には親の扶養義務がない」という誤解は、
いったいどこから来るのかと思います。
やはり「婚外子=愛人の子=自分の知らないところにいる」
というイメージなのでしょうか?