1.4を超えたというので、ニュースになっています。
「出生率が16年ぶり1.4超 12年、出生数は最少更新」
ご存知のように、日本は出生率の低迷が続いています。
1.4はフランスやスウェーデンといった、出生率の高い国とくらべると
ぜんぜんたいしたことないのですが、それでも16年前の水準まで
回復したのは、いちおう快挙と考えてよいだろうと思います。
出生数の年ごとの推移を見て行くと、2005年の1.26が最低で、
それ以降は昨年2012年にいたるまで、増加傾向にあります。
これは、2006年以降は団塊ジュニア世代という、
人口構成比の多い層の出産が増えていることによるのでした。
合計特殊出生率を押し上げたのは、第2次ベビーブーム期
(71〜74年生まれ)世代の「団塊ジュニア」に連なり、
人口構成比の大きい30歳代の出産が増えているからだ。
12年の出生率を年齢別でみると30歳代の上昇幅が大きく、
10歳代と20歳代で低下した分を補った。40歳代も増えた。
その団塊ジュニアらが30歳代半ばを迎えた06年以降、
出生率はプラス基調に転じた。人口構成でボリュームの大きな層が
結婚や出産のタイムリミットを意識した結果だ。
10代と20代は出生率の上昇幅が減っています。
日本政府は少子化対策にほとんど無策の状態が続いていると
思っていたけれど、じつはまがりなりにも対策が効いているのかなと
ちょっと思ったのですが、そうでもなかったようです。
団塊ジュニアが出産にあせった、ということのようですね。
出生率は上昇傾向にありますが、出生数は減少傾向にあります。
昨年2012年の出生数は戦後最低を記録しています。
国内で生まれた赤ちゃんの数を示す出生数が、厳しい現実を示す。
12年は103万7101人で、前年より1万3705人減少。2年連続で減った。
一方死亡数は、戦後統計を取り始めた47年以降で最多の125万6254人。
出生数と死亡数を差し引くと、6年連続の自然減だ。
出産適齢期の人口が減っているので、出生率がすこしばかり
上がったくらいでは、出生数は減るということですね。
長年少子化対策をしてこなかった「つけ」が出ていることになります。
現状では出生数を増やすのはむずかしく、
出生率が上がれば、それでよしとしなければならないのでしょう。
団塊ジュニアも、いつまでも出産はできないですし、
いまの20代が30代になったとき、団塊ジュニアとおなじように
「タイムリミット」を意識して出産するとは限らないです。
現政権のように、少子化対策に対してピントのずれたことをしていれば、
今後は出生数だけでなく、出生率もふたたび下がる可能性があります。
謝辞:
メインブログの6月1日エントリのコメント欄で、日経の記事を
紹介してくださったニャオ樹・ワタナベさま、ありがとうございます。