2013年05月30日

晩婚化を緩和するWLB

ワークライフバランスが少子化対策には効果的であり、
ワークライフバランスが達成されるほど、晩婚化と非婚化は
解消されるというのは、これをご覧のかたでしたら、
言うまでもないだろうと思います。

ワークライフバランスと晩婚、非婚との関係を
簡単ながら計量分析してしめした記事があるので、ご紹介します。
執筆したのは山口一男氏で、あの「少子化危機突破タスクフォース」
委員として参加しているかたです。

「期待形成と社会改革:少子化対策、男女共同参画、雇用制度改革へ意味すること」

 
OECD加盟国を対象に、1980-2002年のデータを用いて分析しています。
これによると、とくに育児休業やその所得補填率、
保育所・託児所の充実など「仕事と育児の両立度」の高い国において、
晩婚、非婚傾向が小さくなっています。

「仕事と育児の両立度」の高い国とは具体的には
デンマーク、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国です。
これらの国ぐには、ほかのOECD加盟国と比べると、
晩婚・非婚傾向が小さくなっているのでした。


ところで山口氏がこのような記事を書いた動機ですが、
例の「タスクフォース」の会議で、「ワークライフバランスは
少子化対策にとって重要でない」などと言う委員がいたからなのですよ。
その場で反論できなかったので、あとから記事を書いたわけです。

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委員の1人が「ワークライフバランスは少子化対策に
とって重要でない」と発言したので驚いた。
その委員によるとわが国の少子化の原因の「8割近くが晩婚化・
非婚化によるもの」で、残りが結婚後の出生率の低下により、
かりに後者の半分がワークライフバランスの
欠如によるものとしても「その影響は10%程度」というものであった。
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委員のひとりのご意見である「8割近くが晩婚化・非婚化によるもの」
とか「その影響は10%程度」というのは、
どういう調査に裏付けられているのかと思います。
根拠もなく教条的に信じているだけのような気もします。
あるいは統計データを、都合よく読んでいるのかもしれないです。


山口氏としても、こういう論文をあとから書くくらいですから、
会合の進めかたに不満が多いのではないかと思われます。
「タスクフォース」では、ワークライフバランスが晩婚化を
緩和するという統計に裏付けられた結論を、
理不尽にしりぞけていることが考えられます。

「タスクフォース」は、委員にはかなりまともなメンバーも
入っている
のに、なんでおかしな方向に走るのかと、
いぶかしく思うところだったのでした。
会合でまともな意見が出ても反対されてしまい、
婚活とか女性のからだがどうのとか、奇抜な意見ばかりが
優先されることになるのは、たしかそうです。

「タスクフォース」では、座長とか特定の人が
強い権限を持っているのかもしれないです。
あるいは、自民党が信奉する「家族のカチ」に
合致するものだけが受け入れられ、そうでないものは、
いかに効果的であっても切り捨てられるのかもしれないです。


謝辞:
メインブログの4月12日エントリで、山口一男氏の論文
紹介してくださった、kirikoさま、ありがとうございます。


posted by たんぽぽ at 20:25| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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