男女のべつにかかわらず長子優先の継承となることが決まりました。
これまでは男子優先で、最初の子がお姫さまでも、
あとから王子さまが産まれると、王位の継承順位は、
あとの王子さまが優先されたのでした。
「英、改正王位継承法案が可決 男女の別なく長子優先」
記事は短いので全文引用します。
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【ロンドン共同】英議会は22日、性別に関係なく
長子を優先する改正王位継承法案を可決した。
7月に生まれる予定のウィリアム王子とキャサリン妃の第1子から対象となる。
従来の王位継承法では、ウィリアム王子夫妻の第1子が女児で、
後から男児が生まれた場合、男児が王位継承順位で追い越すことになっていた。
男女同権の流れを受け、キャメロン首相が2011年10月に改正を表明していた。
クレッグ副首相は22日、可決を受け「歴史的な瞬間だ。
何世紀にもわたる性差別を終わらせる手続きを取った
議会を誇りに思う」との声明を発表した。
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王位継承を男女平等にするということは、
イギリスではかねてから議論されていたのでした。
このブログでも、以前にご紹介をしたことがあります。
法律の改正には、イギリス連邦に加盟している16カ国の承認が
必要だったのですが、わずか半月のあいだに全会一致で承認されて
すごいとわたしは思ったものです。
「イギリスの王位継承」
「何世紀にもわたる性差別を終わらせる手続きを取った
議会を誇りに思う」という副首相の声明がすばらしいですね。
お姫さまに継承権があっても、あとから産まれた王子さま優先なら、
それをちゃんと「性差別」であると受け止め、
男女平等になるよう改正することに誇りを持つのですから。
お姫さまにははなから継承権がない日本とは大違いです。
先日、オランダで女王さまの時代が3代123年間続いた
お話をしましたが、ヨーロッパの王朝は、
ほとんどどこも女性にも継承権があることが当たり前です。
継承順位に男子優先という国はいくつかあるようで、
継承法改正の焦点は、男子優先をあらためて、性別にかかわらず
長子優先にするかどうかが焦点になっています。
ヨーロッパの君主制は、革命や戦争でどんどん倒されていきましたから、
残っている王朝は、生き残りに必死なのかもしれないです。
特定の血筋による世襲というのは、本来民主主義とは
相容れないですし、君主制自体への批判もあると思います。
(スウェーデンの王様がストリップクラブに行ったら、
王制そものもへの批判が高まった、というお話がありました。)
日本の天皇制は、敗戦直後に存続の危機に陥ったくらいです。
戦後改革によって天皇の権力は削がれましたが、
アメリカの利益に協力することにして、延命はしてもらえたのでした。
こんな調子なので、日本では君主制の維持に対する危機感がとぼしく、
女性天皇を認めないと皇室が断絶すると言われても、
猛烈に女性天皇に反対できるのかもしれないです。