日本ではむかしから夫婦同姓が定められていたのではなく、
明示のはじめに戸籍を導入して、国民全員に苗字を名乗らせたときは、
夫婦別姓を原則としていたくらいでした。
夫婦同姓が民法で定められるのは1900年なので、
明治のかなりあとのほうということになります。
たぶん近代的に見せたいと思ったのだと思いますが、
フランスやドイツなどヨーロッパの国の家族法に習ったのでした。
「夫婦同姓は日本の伝統?」
こういう経緯なので、民法で夫婦同姓が定められる
前後の時代に生きたかたは、結婚したら女性が改姓して
夫婦同姓となることに、違和感を持った人も
いたのではないか、ということも予想されます。
実際、自分の祖母がそうだったとおっしゃるツイートを
見つけたので、ご紹介したいと思います。
https://twitter.com/kmzk/status/321921922923376640
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私の祖母は、武家の出で夫婦別姓の伝統も残っていた
明治生まれのせいか、夫婦同姓に疑問をもってました。
姓が変わったことで氏と名前がかぶってしまったことも理由かも。
RT @hori_shigeki: 藤井聡氏の言う伝統…死者たちの多くは
かつて夫婦同姓義務制の規範性を疑わなかっただろう
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このかたは夫婦別姓が当たり前の環境で生きて来たので、
夫婦同姓を導入されると、それに疑問を持ったということです。
こういうかたは、「苗字は出自を表わすものだから、
結婚で変わるべきものでない」という感覚もあったことも考えられます。
こんなところからも、「夫婦同姓が日本の常識だ」などと
言っている反対論者たちは、自分が物心ついたときに
夫婦同姓が定着している状況だったから、夫婦同姓を「常識」と
思っているだけという、よく言われることがしめされることになります。
ようするに、「苗字はどうあるべきか」という考えは、
その人が生きている社会の習慣に引きずられやすいということです。
それは単なる「慣れ」の問題ということになります。
選択別姓の反対論者は、明治時代のように夫婦別姓の習慣が
残っている社会であれば、むしろ夫婦同姓に違和感を持ったり、
さらには「夫婦同姓は非常識」と言って、
反対することもあるだろうと思います。