2013年04月13日

子ども増やさない本音

「Yahoo!みんなの政治」に「子ども増やさない男女の本音」という記事があります。

「子ども増やさない男女の本音」

ここにで内閣府の「少子化社会に関する国際意識調査」(2011年)の
「子どもを増やさない理由、または、増やせない理由」について
訊いた調査が引用されています。

この調査によると、子どもを増やせない理由でいちばん多いのは、
「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」でした。
男性の44.6%、女性の39.5%がそう答えています。





わたしは、これを見て失笑しましたよ。
子ども手当ては、ご存知のようにずいぶんと叩かれましたし、
高校無償化はいちおう定着したとはいえ、あまり理解されなかったです。
手当てや無償化に反対しておいて、「お金がかかる」と言うのは、
いったいどういうことかと思います。

両者は同一人物でないということかもしれないです。
それでも手当ては無償化に反対しながら、「子どもにお金がかかる」と
言っている矛盾した人も、一定の数いるのではないかと思います。

子ども手当てに反対した中には、「手当てより保育所を」
叫んでいる人たちもいました。
上述の調査では「働きながら子育てができる職場環境がないから」
という理由を挙げたのは、男性の14.3%、女性の26.3%です。
経済的理由よりすくないのであり、この調査に関して言えば、
「保育所より手当てを」ということになります。


「お金がかかる」と言っているこれらの人たちは、
いったいどうしてほしいのかと思います。
「しからば手当てを出しましょう」となったら、
またしても「ばらまき反対」と言い出すのではないかという気がします。

手当てではなく、自分の所得が増えることで、
経済的問題を解決したいと思っているのでしょうか?
そうだとしたら、それは国や行政ができることではないですが、
子ども手当ても所得扱いですし、手当てだろうと給料だろうと、
お金が入ってくることに変わりないと思います。

あるいは、所得も手当ても増えない現状のまま、
「お金がかかりすぎて子どもが作れない」とだれに対してともなく
不満だけ言っていたい、ということなのでしょうか?


posted by たんぽぽ at 19:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。こちらにもコメント失礼します。

あたしの親戚は父方も母方も割と政治談議が好きで、年末年始やお盆などで親戚が集まってお酒を飲んでるときでも、話のネタがそんな感じだったりします。
(なので、幸か不幸か品のない飲み会はあんまり参加経験がない)

…で、何年前だったかな、まだ民主党政権だった頃に、父と母方の叔父(ただしあたしとは血がつながってない)が、酒飲みながらこんなこと言ってたんです。

「民主党は、共産党よりよっぽど酷い「アカ」だ」

って。
父も叔父も当時50代ですし、冷戦の記憶もそれなりにあるんでしょうが、父や親戚が政治家を「アカ」呼ばわりしたのを聞いた記憶って、後にも先にもこれだけなんですよね。
父達の世代だと、冷戦時代の記憶や「勤め先を通じた再分配」の印象が強過ぎて、国から直接、継続的に給付することに対して相当の抵抗感があったのかな、と思います。

…とまあ本題はこれなんですが、もうちょっと一般論を。
子育てや教育のためのお金の入手手段としては
「給料上がる」
「国や自治体の再分配機能による給付(子ども手当とかがこれですね)」
「子育てと仕事の両立がしやすい環境に身を置いて、お金を稼ぎやすくする(保育所とかがこれですね)」
があって、極論を言えばどれでもいいわけです。(高校無償化は、「必要経費を下げる」方であって、名目上はお金が増える方ではないので省略)
で、日本でぱっとイメージできるのは一番上なんですけど、そこって一番政府がどうこうしづらい部分なんですよね。
公務員の給料こそ関与出来るけれど民間については底を設定するのがせいぜいですし、アベノミクスなんかは
「景気をよくして給料上げよう」
ってことなんですが、業績が上がったところを企業がどこまで素直に給料に反映させるかは不透明です。
そして、「勤め先を通さない再分配」に対しての抵抗感は中高年を中心に根強いので給付はあまり充実せず、そもそも「子育てと両立する働き方」のイメージが日本に置いては貧弱である、と。

…で、「どこをどうしたらいいのか」という着想のないまま、出てくる答えが「お金がない」ということになるんじゃないかな、と思ったりします。
Posted by 七重 at 2013年04月17日 22:53
いらっしゃいませ。こちらにもコメント、ありがとうございます。

なかなかよいご指摘だと思います。
なるほど!と思いましたよ。

「国から手当てを給付される」という考えに、
そもそも馴染んでいない人は多いのでしょうね。
それでお金が必要なはずなのに手当てに反対する、ということはありそうですね。

国からの給付を否定してしまっては、自分たちの暮らしを
政治に解決させる、という発想も出て来ないでしょう。
それで結局、なんら暮らしに改善のないまま、
「お金がない」と不満を言うだけ、ということになるわけですね。


>冷戦時代の記憶や「勤め先を通じた再分配」の印象が強過ぎて、
>国から直接、継続的に給付することに対して相当の抵抗感があったのかな、

日本の55年体制時代は、いわゆる「会社本位体制」で、
ご指摘の通り、福祉も国ではなく企業が行なっていたのですね。
「社宅」という日本特有の存在は、その典型だと思います。
そういう「常識」に慣れていると、国から手当てを
給付するのは、相当に違和感があることかもしれないですね。

子ども手当てのような国からの給付が、猛烈な反対にあうというのは、
55年体制時代の感覚が、まだ乗り越えられていない、
ということだと言ってもいいかもしれないです。
民主党は「国民感情」のさきを行っていた、ということになりますね。

もちろん子ども手当てのような国からの給付は、
ヨーロッパの民主主義国では当たり前の制度になっているのでして、
ここでも「日本の常識=世界の非常識」と言えるのだけれど。


>「民主党は、共産党よりよっぽど酷い「アカ」だ」

共産党も基本的に「勤め先を通じた再配分」を前提にしていて、
国から直接給付することは、考えてなかったのですよね。

>日本でぱっとイメージできるのは一番上なんですけど、

「給料が上がる」がいちばんイメージできる、というのも、
「会社本位主義」時代の感覚が残っているということかもしれないです。

>そこって一番政府がどうこうしづらい部分なんですよね。

そうそう、政治が解決することでは基本的にない。

>業績が上がったところを企業がどこまで素直に給料に反映させるかは不透明です。

一部のアベノミクスに浮かれた人たちは、自分の給料が増えることを
期待しているのかもしれないけれど、そんなことは保障されてないですね。
Posted by たんぽぽ at 2013年04月18日 23:28
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