暴力にあっていた選手たちは、園田隆二監督に対して、
信頼している様子を表面的に取り繕っていたことが、
あきらかになったのでした。
「【柔道】園田監督との信頼関係「全部演技だった」」
選手たちは、園田監督の顔を見るだけで吐き気を
もよおすくらいの恐怖感に襲われるのにもかかわらず、
はた目には仲がよさそうなそぶりを演じていたのでした。
ロンドン五輪までの4年間、選手はメッセージカードを渡したり、
「園田組」というTシャツを作ったりと、はた目には仲がよさそうに見えたが、
「選手が園田さんに気を使って、完璧な信頼関係を作っているかのように演じていた。
全部演技だった」とJOCの藤原庸介理事は明かした。
いつ、何が飛んでくるか分からない。突然、目が据わり、怒りで我を忘れる。
「選手は園田監督を心の底から恐れていた」と藤原理事。
顔を見るだけで吐き気をもよおす選手もいた。
記事では「衝撃の告白」と書いているのですが、
わたしに言わせれば、それほど意外でもないだろうと思います。
暴力や恐怖で他人を従わせる人は、「こんなもの」だと思うからです。
従わされる側は、恐怖政治から自衛する必要があります。
そうなると表向き信頼を装うのがいちばん確実になります。
園田監督や強化委員長は、選手たちが信頼を装っていることに
なんとぜんぜん気づかず、本心から信頼されていると思っていたようです。
一方、園田監督も吉村和郎前強化委員長も、
信頼関係にみじんも疑いをもっていなかったという。
これもびっくりする人がいるかもしれないです。
表面的に装った信頼など長く続けていれば、
いくらなんでも、いずれ気がつくのではないかと考えると思います。
わたしに言わせれば、こういうこともありえると思います。
暴力や恐怖で他人を従わせる人だから、
取り繕った信頼に気がつかないわけです。
あるいは、取り繕った信頼に気がつかない人だから、
暴力や恐怖の支配がうまくいくと思うのでしょう。
付記:
「園田監督を勘違いさせた私たちが悪かった」と言っている
選手もいるのですが、あまり自分を責める必要は
ないのではないかと、わたしは思います。
関連エントリ:
「女子柔道の暴力事件」
「女子柔道の暴力事件(2)」
「女子柔道の暴力事件(3)」
自分の絶対的優位と相手の無抵抗を
確信しているのだろうと想像します。
彼らはなぜそんなことを確信できるのかは、
わたしにもわからないです。
金属バットを毎日使う部活だから来たくないのだろうと思いました。
教師や監督は圧倒的な権力者なので、
生徒や選手が「歯向かう」のは、
相当に覚悟のいることだと思います。
なので「歯向かう」生徒や選手が
まずいないのも、無理もないと思います。
教師や監督もそうした自身の権力性を
よく認識しているから、「安心して」
体罰を持ち出せるのでしょう。
>例の体罰教師も僕が金属バットで威嚇してからは
相手がちょっと強いとわかると
とたんに「チキン」になる、
それは相手が無抵抗だと確信しているから
暴力に訴えることができる人間の
「本性」ではないかと思います。
わたしもそれを思い出しました。
みなさん体罰教師と立ち向かう、
勇敢なかたばかりですごいです。
>彼も自分が慕われていると思って
そうかもしれないです。
生徒たちは体罰教師には本当のことを
言わないことも多いでしょう。
なにかというと暴力を振るう人間に
言っても、さしつかえないことしか
言わないということです。
なので体罰教師はかぎられた情報で、
偏った自負をいだく可能性は、
いくらでもあると思います。
僕の場合はよけたら勝手に落ちただけで立ち向かっていないんですよね。
よけるだけでもじゅうぶん「レジスタンス」です。
体罰教師に「立ち向かってい」ると言えます。
武器を使って応戦のかまえを見せるだけでも、
じゅうぶん「立ち向かっている」と言えます。
武器を持つ勇気さえ持たない人も、
たくさんいると思います。
立場の強い人には本当のことを
全部言わない、よくあることです。
相手が暴力を肯定する「危険人物」であるなら、
まわりの人たちはなおさら警戒して、
本当のことを隠すと思います。
https://twitter.com/kazuyoyk1/status/1749057726473244715
当の「立場の強い人」は、自分への批判は
隠されているだけなのに、「自分の意見は
受け入れられている」と信じているのも、
こうした場合の残念な相場だと思います。
体罰監督に暴力奮われたらデッドボールを当てていました。わざととは思われないので自分が復讐されているとは思ってもいないと思います。
>「他人に力を行使しない理性的な人」だと
そのように考えてくださるのも
結構なことだと思います。
ちょっと安心しているかたも、
いらっしゃるかもしれないです。
>僕はムカついたから威嚇しただけで
勇気がないかたでしたら、バットを持ってから
われにかえって、萎縮すると思います。
そうならなかったみたいなので、
やはり勇気はあるのだと思います。
それと、威嚇するだけで、
実際に攻撃したわけではないので、
「理性的な人」でもあると思います。
>ストライクゾーンめがけてデッドボールを当てる
すごい変化をする球を投げるのかしら?
>自分が復讐されているとは思ってもいないと思います
当の相手が復讐されていると気づかない
というのは、巧妙だと思います。
格闘技ができると、それが対抗手段になりえますね。
問題は、その格闘技をやっている、
自分の所属する部活、サークルの顧問が
当の体罰を振るう教師だった場合です。
くわしい事情をありがとうございます。
問題の体罰教師は、所属している
部活の顧問だったのですね。
うまくカモフラージュして、通常の練習と
見せかけることができたのは、よかったと思います。
解説ありがとうございます。
実戦ではあまり使うところがない
わざかもしれないですね。
その意味では、思いがけないところで
役に立った、ということに
なるかもしれないです。