2013年02月23日

同姓派男性の自分の問題

言わずもがなのことですが、民法改正がなされた場合、
夫婦別姓に関しては「選択制」です。
夫婦同姓がいい人は、いままで通りに同姓を選ぶことができるので、
なんら問題はないのであり、なぜに頑迷に反対するのか
というのが、多くのかたの思っていることだと思います。

つまり反対派というのは、赤の他人の家庭事情に首を突っ込んで、
口はばったく自分のカチカンを押し付ける、
不寛容にして出しゃばりな人たち、ということになるからです。

ところが同姓派にとっても、選択別姓が認められることは、
かならずしも他人ごとではないのではないか、
すなわち自分自身に降り掛かることとして
反対しているのではないかと考えられる部分もあります。

 
それは、すでに結婚して夫婦同姓であっても、
妻が旧姓に戻したいと言う可能性が考えられるからです。
それから、これから結婚する場合、女性のほうが
結婚改姓したくないと、言いやすくなることになるでしょう。


同姓派のとくに男性は、こうした事態を
心配しているのではないか、ということが考えられるわけです。
すくなくない男性にとって、相手の女性が自分の苗字に
改姓するのを当然と考えていて、改姓してくれないことを
はなはだ不愉快と考えているでしょう。

夫婦別姓を希望している人は、世論調査から推定すると
15-20%程度ほどいると考えられます。
改姓したくなかったけれど、あきらめてしまったといったような
「見えない犠牲」まで入れると、3-4割には達しそうです。
同姓派男性にとっては、結構脅威的な数字かもしれないです。


とは言っても、女性に不本意な改姓をさせて、
自分の苗字で同姓にするのは、そもそも男性の「既得権」です。
こんな既得権は、本来手放してしかるべきことです。
妻が旧姓に戻したいと言い出したら、妻に犠牲を強いていたことを、
すなおに認めるのが本来でしょう。

これから結婚する相手の女性が改姓したくない、
というのでしたら、そうした男性は結婚しないか、
改姓してくれる女性を探せばよいのだと思います。
「嫌なら結婚するな」とか、「選ぶ自由がある」というのは、
反対派がよく言うことです。
今度は自分に言い聞かせればよいのだと思います。


posted by たんぽぽ at 07:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
言われる通りと思います。
結婚で喜んで改姓する人もいますしそうでない人もいます。
法的に結婚するときに、どちらも今までの姓でいることを選ぶことができるようにすることがこんなにハードルの高いことだなんて、やるせない気持ちになります。
Posted by いのり at 2013年02月23日 10:17
いのりさま、こちらにコメントありがとうございます。

相手の女性に改姓させて、自分の苗字を名乗らせることが
男性の「既得権」なのでしょうね。
ある種の男性にとっては、結婚相手の女性に改姓したくない
と言われるのが、嫌なんだと思います。

彼らは現行の同姓強制の法律によって、女性の改姓が強制できると
考えているのでしょう。(実際そうだけど。)
選択制でも反対するのは、その強制ができなくなるからでしょうね。
Posted by たんぽぽ at 2013年02月24日 07:39
知人で正に未婚男性の「選択制夫妻別姓」強豪な反対派がいます。
彼は幼い頃事情は分かりませんが養子として名字を変えられそうになり、「男なのに名字を変えるのは嫌だ」と泣いて拒否し、養子を回避したそうです。
彼の主張は「男が改姓するほど惨めなものはない。女性は名字を変えて喜ぶのが結婚なのだから選択制夫妻別姓などをして女が改姓しない結婚は意義がない」
・・普通だったら自分が泣いて拒否した改姓。
なのにこれをしつこく主張して正にどこから突っ込めばわからない状態です・・
「改姓すべきは女!」
彼を含め、世の中もそうなのでしょう。
Posted by わんわん at 2017年09月25日 12:44
わんわんさま、
こちらにコメントありがとうございます。

>彼の主張は「男が改姓するほど惨めなものはない。
>女性は名字を変えて喜ぶのが結婚なのだから
>選択制夫妻別姓などをして女が改姓しない結婚は意義がない」

ここまで露骨に差別的なことを言えるのも
ちょっとめずらしいかもしれないです。
内心ではこう思っていても、
たいていははっきりとは言わないだろうと思います。

>・・普通だったら自分が泣いて拒否した改姓。
>なのにこれをしつこく主張して

自分が嫌なことを人に要求できるという
自己中心性もいかんともしがたいです。

選択的夫婦別姓なら自分は改姓しないですむのだから、
問題なさそうなのに、女性が改姓しないのが
受け入れられないだけでなく、女性が改姓しないといけないと
はっきり言えるのは、かなり独善的だと思います。


>「改姓すべきは女!」
>彼を含め、世の中もそうなのでしょう。

わたしもそうではないかと思います。
ふつうは明言がはばかられる社会の差別意識を
はっきり言ったということなのでしょう。
Posted by たんぽぽ at 2017年09月25日 22:05
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