2013年02月06日

名前がカタカナの不都合

外国人とのハーフのかたの場合、国籍が日本であっても、
名前が外国系でカタカナだったりします。
そして日本では、名前がカタカナだといろいろと苦労するというお話です。

「無国籍ハーフの半生
〜鎖国から150年。日本はどこまで変わる事ができたのだろうか?〜」


 
すぐに予想がつく「苦労すること」は、
名前がカタカナだと「外国人」と決めつけられることでしょう。
お役所に書類を提出したときでも、
「外国人証明書」が必要だと、言われてしまうことがあるのでした。
これはお役所が、名前がカタカナの市民がいることを
把握していないということでもあると思います。

カタカナの名前は一般に長くて、銀行の口座を作ろうとすると、
字数制限に引っかかって、名前が登録できないことがあります。
やむをえず削って登録するのですが、そうすると免許書の名前と
一致しなくなるので、お金が引き出せなくなったりするのでした。
銀行の都合で名前を削っておいて、本人確認ができない、
というのも、無責任なお話だと思います。

また、ウェブで名前を登録することがありますが、
カタカナだと「名前」だと認識されないこともあるのでした。
記事で言及されている、東京ガスのサイトは英字を受け付けるので、
外国人の存在は念頭にあるようです。
しかし、名前がカタカナの人までは、考えがおよばないようです。
外国系の名前なら、英字で書くはずだと考えているのでしょう。

記事の著者は、プログラムを直してカタカナの名前を
ふつうに受け付けるよう、東京ガスに電話を入れているのですが、
それでもぜんぜん直していないのでした。
もしかすると「カタカナの名前は少数派」と決めこんで、
無視を決め込んでいることも考えられます。


こうした名前の不都合は、「日本人なら日本人らしい名前のはずだ」
という思い込みがあるからだろうと思います。
日本にも少数とはいえ、外国系のカタカナの名前のかたがいるし、
また韓国・朝鮮系の名前のかたもいます。

いわゆる「日本人らしい」名前の人ばかりではなく、
コリアン系の名前を名乗っている在日コリアンのかたもいます。
また国籍が日本であっても、外国系由来の名前のかたもいます。
こうしたことも、もっと理解されることだろうと思います。
(かくいうわたしも、じゅうぶん配慮できているとは
言えないので、自戒を込めてというのもあります。)

日本社会は国際基準に対して開くのが苦手とされますが、
名前に関しては、とても「開かれた」とは言えないことになりそうです。
記事では「20年以内に変われれば良い方だと思う」と書いていますが、
20年でもほとんど変化がないかもしれないです。


ところで、名前というのは「苗字と名前ひとつずつ」ではなく、
ミドルネームをひとつないし複数持つかたもいることも、
もっと理解されてよいことではないかと思います。

記事の著者のような、外国系の名前のかたであれば、
ミドルネームがあることが多いです。
また「日本人らしい名前」のかたであっても、
旧姓をミドルネームにして使うかたがすくなからずいます。
こうしたミドルネームを持つ、あるいは使いたいというかたへの
配慮もあってしかるべきでしょう。


posted by たんぽぽ at 18:35| Comment(4) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
戦前生まれのおばあちゃんで、名前がカタカナの人が結構いるんだけど、東京ガスはそれすら想定してないのかな(笑)
Posted by jiyu_jin_bimbo at 2013年12月28日 16:43
jiyu_jin_bimboさま、いらっしゃいませ。
わたしのブログにコメント、ありがとうございます。

たぶん本当に想定していない可能性がありますよ。
高齢の女性が契約者になるなんて、思っていないのではないかと。

もしかすると抗議が来ているのかもしれないけれど、
対処せず放置しているのかもしれないです。
Posted by たんぽぽ at 2013年12月28日 18:55
高齢女性が若かった頃契約しようとした人はいるはずですよね?その時はどうしてたんでしょうか?
Posted by イト at 2025年02月07日 23:37
イトさん

そういう世代の女性は、名前がカタカナでも
日本人だと、ガス屋さんもわかると思います。
Posted by たんぽぽ at 2025年03月19日 22:40
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