2012年10月25日

世襲候補ではない(2)

10月17日エントリのせいだと思うのですが、
そこでエントリをリンクした「kojitaken」氏が、
「世襲候補」について、こんなことを言ってきましたよ。
名指しはしていないけれど、文脈からわたしのことでしょう。

http://twitpic.com/b56nca
 
「kojitaken」氏に言わせると、鳩山由紀夫が
自分を世襲議員だと認めた(だから、親が議員を
やっているというだけで、親の支持基盤の継承に
かかわらず「世襲」となる)、ということのようです。

しかも「「民主党信者」か、さもなくば「小沢信者」の
世迷い言」」などとレッテルを貼り、
さらに「バッカじゃなかろか、ルンバ♪」などと
わたしのことを、嘲笑までしています。

というわけで、いくつかの資料で、「世襲議員」を
どのように規定しているのかを見てみることにします。


「はてなキーワード」では、「世襲議員」とは、
「尊属親族や親戚に政治家がいる中で選挙区の地盤を
世襲した国会や地方議会の議員のこと」となっています。

「ウィキペディア」では「世襲議員」はつぎのようです。
========
世襲議員とは概ね、親や祖父母をはじめとする
親族が作った選挙区での地盤(後援会)を
そのまま継承して選挙に当選した政治家のことを指す。

世襲で受け継ぐ地盤がなく直接の恩恵を受けていない場合は、
世襲と見なさないことが多い
========

『世襲議員ゴールデンリスト』という本を見ると、
はしがき(2ページ)に「世襲議員とは、
親族の国会議員の地盤を継いだ議員を指します」とあります。

『世襲議員のからくり』という本では、
「世襲議員とは、いわゆる「三バン」、すなわち地盤(後援会)、
カバン(政治資金)、看板(知名度)を親族から
引き継いだ議員を指す」(14ページ)とあります。


これらの資料を見るといずれも、世襲議員とは、
親族から支持基盤を引き継いだ議員のことだとしています。
とくにウィキペディアでは、支持基盤を引き継がない場合は、
親族が議員であっても、世襲とは見なさない、
ということが書かれています。

世襲議員のなにが問題かといえば、
親族から支持基盤を引き継ぐことで当選が有利になるので、
政治家となるための機会の均等性がひずむことです。
よって世襲候補の条件に、支持基盤の継承を入れるのは
とうぜんと言えば、とうぜんのことだと言えます。

ただ、ウィキペディアを見ると、支持基盤を引き継がなくても、
笹川堯が世襲議員と見なされるなど、多少の特例があるとしています。
かならずしも厳密に定義付けられるものではなく、
慣習的な部分もあるのかもしれないです。


民主党は内規で、世襲候補を立てることを禁止しています。
この世襲候補の条件は、以下のようになっています。
(自民党が内規で制限しようとして挫折した
世襲の条件も、民主党の条件とおなじようです。)

「【常任幹事会】国会議員の世襲制限を正式決定」

1. 配偶者および3等親以内の親族が国会議員であること
2. 議席を連続して引き継いでいる
3. おなじ選挙区から立候補する

とくに事情がないかぎり「世襲候補」とは、この民主党の内規を
満たす候補者のことだと考えるのが、よいと思います。

「国民の生活が第一」が、世襲候補の制限を
設けているのかどうかはわからないです。
それでもいちおう上述の民主党の内規を基準にして考えると、
佐藤奈保美氏は、2.と3.の条件を満たさないです。
したがって、世襲ではないと考えるのが妥当でしょう。


posted by たんぽぽ at 19:15| Comment(2) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「バッカじゃなかろか、ルンバ♪」は亡き野村克也監督の発言と思っていましたが元ネタがあったのですね。
Posted by あいうえお at 2024年12月02日 21:41
あらあら、
そんなところに反応してくださったのですね。

わたしも、そのねたのことは
残念ながらぜんぜん知らないです。
はじめて見たときから、元ねたはあるのだろう、
とは思っていましたが。


やっと12月にいただいたコメントに
お返事をはじめることができました。
Posted by たんぽぽ at 2025年01月11日 15:42
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