2012年05月11日

世に倦む日日の政治改革評

山口二郎氏という政治学者が書いた、
『政治改革』(岩波新書)という本があります。
政治改革が取りざたされ始めた、20年ほど前の本で、
いまではちょっとした古典かもしれないです。

この本は絶版で、図書館へ行かないと見つからないと思います。
90年代の政治改革の時代に特化した内容で、
すでに時代の役割を終えた、ということなのかもしれないです。
しかし、いま読んでも役に立つことはあると思うし、
絶版にするのは惜しいように思います。

ところで、この本の内容をかなり曲解している
ツイートを見つけたので、ご紹介したいと思います。
(トゥゲッターにまとめようと思ったのですが、
どういうわけか、わたしはこのかたに
ブロックされていて、まとめを作れないので、
ツイートのURLを並べることにします。)

https://twitter.com/yoniumuhibi/status/193997766450614274
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194000271557406720
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194001704612659200
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194044797600792576
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194046237232734208
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194048179375837184
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194050412268093440
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194053687331663872
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194054723412824065
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194057966461255681
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194079516166078465
https://twitter.com/yoniumuhibi/status/194084718571028480


はじめにつぎのツイートを、見ていきたいと思います。
わざわざページをしめしているし、このあとのツイートで
本の内容の一部を引用してみせています。
ところが本をちゃんと読むと、山口二郎氏は
「政治家には倫理は不要だとハッキリ書いて」なんか
いないことがわかります。


13-14ページのくだりは、汚職など政治腐敗の解決に
政治家の倫理や心構えを期待しても無理、という主旨です。
ようするに、政治家やお金を出す企業の内面ではなく、
制度や環境を改善することで解決しろ、という意味です。

つまり、倫理の欠如した人間の存在を前提とせよ、
ということであって、「政治家には倫理は不要」という
意味ではないことは、あきらかだと思います。


最近は減ったのかもしれないけれど、日本人はなにかと、
このように「心の問題」と言いたがるので、
それに対する反論だろうと思います。

心の問題、すなわち内面が信用できないから、
制度による外側からの改善が必要なわけです。
そこへもってきて、内面から改善すればいいなどと、
訴えても意味がない、ということです。
そもそも、「心の問題」で解決できるくらいなら、
問題などはじめから起きたりしないでしょう。

外国人と議論をしていても、日本人は「心の問題」と
言うことがあるので、なぜ日本人はそういう
無意味なことを言うのかと、外国のかたたちから、
いぶかしく思われることもあるようです。


それはともかく、『政治改革』の13-14ページを
つぎに引用しておきたいと思います。
「世に倦む日日」氏が曲解していることを、
確認していただけたらと思います。

「「政治改革」の13−14ページ」
http://lacrima09.web.fc2.com/figs/seiji-kaikaku.html


posted by たんぽぽ at 23:30| Comment(2) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
55年体制では、改憲を掲げる保守勢力に対し、護憲をアイデンティティーにした革新勢力は改憲勢力に国会で2/3以上取らせないでおけば目標は達成できていたので、そこに甘んじ現実的に政権交代を目指す必要がなく、自民党支配でも構わなかった。二大政党制ではなく、万年与党と万年野党の1か1/2大政党制だった。自民党もそれをよしとし、国民も万年与党の自民党、政権を獲らない程度の批判勢力としての社会党を始めとする野党という状態を好ましいとしていた。
こういう生温い状態に喝を入れ、与野党が真に政権を競い合えるようにするのが政治改革だったとする。
しかし、政権交代文化が育っていなくて、交互に政権をとるという意識が希薄で、むしろ与党と野党の徹底的な潰しあいの泥仕合に陥り、このような消耗戦が政治不信を招いて、既成政党が信頼をなくしていくうちに、新自由主義むき出しのもっとヤバい勢力が台頭してきた。

というのが政治改革の功罪の「罪」の結果としての現在の状況なのでしょうね。

だからそのブログの方は、与党は与党、野党は野党でいれた55年体制の方が良かったといっているのでしょう。
Posted by 御光堂 at 2012年05月12日 06:03
こちらにコメントありがとうございます。

テッサロニケの不満のひとつは、社民・共産といった
左翼政党が凋落したことがあると思います。
もうひとつの不満は、小泉政権のような新自由主義政権が
席巻したことだろうと思います。

「小選挙区二大政党制」は、このふたつの不満を
生み出した元凶と考えているのでしょう。
それで、「小選挙区二大政党制」と、
それを推奨した「政治改革」に批判的なのだと思います。


この認識が妥当かどうかという議論もあるけれど、
いくら政治改革が気に入らないからって、
山口二郎氏が言ってもいないことを、
言ったことにして批判するのは、ケシカランと思いますよ。
「政治改革を否定するサヨクはこんなもの」と
思われかねないんじゃないかなとも思います。
Posted by たんぽぽ at 2012年05月13日 23:21
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